ガラパゴス諸島に移住したい!住む方法は?

ガラパゴス諸島に移住したい!住む方法は? アイキャッチ

「野生生物の楽園、ガラパゴス諸島に住みたい!」
そう憧れる方は少なくないのではないでしょうか。
私はガラパゴス諸島のサンタ・クルス島に居住していました。
というわけで、経験者の私が回答させて頂きます。

Q、ガラパゴス諸島には住めるの?

A、住めません。

「ハァ!?さっき住んでたって言ったじゃん!」
とお怒りの方、どうか私の言い分を聞いてください。

ガラパゴス諸島には「原則として」居住および永住することはできません。
しかし、何事にも例外はあるもの。
これからご紹介する例外ルートでいけば、ガラパゴスに住むことも不可能ではありませんよ!

そもそも、ガラパゴスは住民を増やしたくない事情がある

ガラパゴス諸島は世界自然遺産第1号です。
その貴重な生態系を保護するため
ガラパゴス全域のうち97%が国立公園、3%が居住区
と明確に決定されています。

2015年時点でのガラパゴス諸島の総人口は25,244人。
さほど大きくもないガラパゴス全域のたった3%に25,244人ですよ!?
だいぶひしめき合って暮らしている現状です。
しかし世界自然遺産として、居住区を拡張するという選択肢をとるわけにはいきません。

そのため、可能な限り住民を増やさないよう外国人の移住はもちろん、ガラパゴスを領有するエクアドル人でさえも本土からの移住は不可能となっています。

では、その中で私はどうしてガラパゴスに暮らすことができたのでしょうか?

ガラパゴスの固有種たち

居住手段① ボランティア契約(一時的居住権の取得)

私が暮らせた理由はこちらです!
私はチャールズ・ダーウィン研究所とボランティア契約を結び、一時的居住権を得ました。

ガラパゴス諸島にはチャールズ・ダーウィン研究所、ガラパゴス国立公園などといった国際ボランティアスタッフを受け入れている団体があるため、外国人にとってはこれが最もポピュラーなガラパゴスライフの実現方法です。

ただ、世界的に有名なガラパゴス諸島。
国際ボランティア志願者は非常に多く倍率が高いです(例えば、チャールズ・ダーウィン研究所には毎日100通以上もエントリーシートが届いています)。

植え込みのそばで眠るアシカ

エントリーシートを出しても返事が来ないのが普通で、受け入れられたとしても1年以上経ってからということもザラ。
更に、そこまで進展してもボランティアビザ手続きにすごーーーーく時間をとられがち。

というわけで、現地団体HPの募集要項ページからエントリーする方法では、ボランティア契約を勝ち取るのはよほどの専門スキルと経験がない限り難しいので、project abroadなどでガラパゴスでのボランティアの募集が出たタイミングを利用する方が確率はずっと高いと思います。
ボランティアインターン企業に仲介して頂ければ、ビザ手続きも大方やっていただけますし。

もしくは、かなり例外的ですが私はこのような経緯でダーウィン研究所と契約を結べることになったので、こちらの記事をご参考までに…⇩

気付いたら、ガラパゴス諸島民。

居住手段② 労働契約(一時的居住権の取得)

この手段はあまり現実的ではありません。
島民の職が外部の人間に奪われることのないようルールづけているガラパゴスでは、外国人がガラパゴスの会社で労働契約を結ぶのはほぼ不可能といってもいいです。
(企業でなく、研究所や保全団体の場合は外国人でも多数例があります。)

しかし!例えばJICAといった支援組織や、インフラなどの日本の会社に所属して、ガラパゴスに赴任する形であれば過去にも例が存在します!
…といっても、そう滅多にガラパゴスに赴任が命じられる機会はないのが現実ですよね(^_^;)

唯一の永住手段!ガラパゴスの人と結婚!

これまでご紹介した手段はどちらも「一時的居住権」。
つまり任期を終えたらすぐに去らなければなりません。
(○年以上働いたら永住権が得られるといったシステムはガラパゴスの制度には存在しません。)

完全移住を考えるあなた。
この手しかございません…!

生まれも育ちもガラパゴスの、生粋のガラパゴス諸島民と結婚!

愛の力には、ガラパゴスの鋼のルールも逆らえませんのよ…!

しかし、実は過去にこの制度を悪用する外国人が多発し問題となったことがありました。
その手口は

ガラパゴス諸島民と結婚→永住権GET→ほどなくして離婚→計画通り、永住権だけが手元に残る!

つまり、永住権のためだけにガラパゴスの人をたぶらかし結婚に持ち込むというもの。
このせいで涙を流すことになった人が数多くいて、「君が愛したのは僕ではなく、僕の永住権だけだったんだね~♪」という歌詞の歌が現地にあるほどです。

現在は制度が見直され、離婚による永住権の持ち逃げは不可能になりました。
ガラパゴスに永住したければ、ガラパゴスの人と一生添い遂げましょう。

おわりに

街中のウミイグアナ

いかがでしたか?
ガラパゴスに住むことは簡単ではありませんが、実際に暮らした感想は「その苦労をするだけの価値がある場所」でした。

世界自然遺産の大自然で暮らすという経験。
路上にアシカやウミイグアナが当たり前のようにいる日常。

そして何より、島の皆様の暖かさ。

私は、もう一度ガラパゴスで暮らしたい?と聞かれたらYESと秒速で答えます。
皆様がもしガラパゴスに居住する機会を手に入れられた暁には、その幸運を絶対に逃さないでいただきたいです。
ガラパゴス諸島での暮らしは、かけがえのない人生の宝物になりますよ!

~このブログの著者の本『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん』(さくら舎)好評発売中!~


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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。