知名度はゼロ?実はおもしろ可愛い鳥

知名度はゼロ?実はおもしろ可愛い鳥

ガラパゴス諸島に生息している鳥といえば?
アオアシカツオドリ、グンカンドリ、ガラパゴスペンギン…これらを筆頭に、魅力的な鳥が沢山生息しています。
それも、とても近い距離で観察ができる!
一般的にゾウガメやイグアナの印象が強いガラパゴスですが、実は鳥好きさんにもおすすめな場所なんですよ。

そんなガラパゴス諸島の鳥類の中でも、あまり目立たず知名度の低い鳥がいます。
私もガラパゴスを訪れるまで名前すら知らなかった鳥です。
しかし、見れば見るほど可愛くて面白くて、今では個人的にガラパゴス推し鳥ナンバーワン!
その魅力を現地エピソードでご紹介したいと思います♪

マングローブでぼーっとしている地味な鳥

この鳥、ガラパゴスの中心地にも常駐しているとても身近な鳥なのですが、その存在にあまり気付かれないのはマングローブでじっとしていることが多いから。
シラガゴイ(Yellow-crowned Night-Heron)というサギの一種で、ガラパゴスの固有亜種です。
ミノゴイとも呼ばれます。
この鳥の代名詞とも呼べるのが、猛烈に眠そうな顔。

眠そうなシラガゴイ(ミノゴイ)

よく見ると頭に糸くずが乗っかっています。
羽繕いした自分の羽だと思われますが…この糸くずがぴろぴろと風にたなびいているのに当の本人はこの表情で眠そうなまま微動だにしません。

こんなにも眠そうなのは夜行性だからです。
日中はこうしてうとうとしているか完全に眠っているかで、まあとにかく休息タイムなのです。
基本的に寝床は個体ごとに場所が決まっていて、一度シラガゴイを見つけた場所に再訪すれば翌日以降も会えることがほとんどです。
私はこの糸くずくんがとても可愛らしくて惚れ込んだので、彼の寝床であるサンタ・クルス島魚市場横の桟橋のマングローブに毎日のように観察に通っていました。

夜になると本領発揮!活動場所は…住宅街!?

日中はぼーっと休んでいるシラガゴイですが、日が暮れると別人のように活動的になります。
ガラパゴスを訪れたことがある人は、夜外食をした帰り道に中心地で歩いているシラガゴイを見たことがあるかもしれません。
夜の港のベンチで、海を見ながら肩を寄せ合い愛を囁き合うカップルの目の前をドタバタと走って駆け抜けてムードをぶち壊してゆくのは大体この鳥です。

しかし、中心地よりもっとシラガゴイを見つけやすい場所が…住宅街!

彼らは夜になると住宅街に繰り出し、草むらの虫やネズミなどを食べています。
各家の塀の上を歩いている姿はまるで野良猫のようです。
私が住んでいた住宅地には小さな公園があり、そこでは毎晩のようにシラガゴイに遭遇しました。

佇むシラガゴイ(ミノゴイ)

このバスケットコートの明かりに虫がよく集まることを知っているようです。

バスケットコートに佇むシラガゴイ(ミノゴイ)

しかし…娯楽も兼ねて公園に来ている説が浮上

上の写真のように、無人のバスケットコートの上では虫がよく集まるためシラガゴイの食べ放題会場になるのは納得できます。
ですが公園はいつも無人とは限りません。
特に、この公園は夜になると学生のスポーツプログラムに使われることが多く、週の半分はにぎやかな夜になります。

ご覧ください、若者たちがスラムダンクよろしくダムダムしております。

夜にバスケで盛り上がる少年たち

…ん?

遠目ですが、何か見えたような気がするのでもう少しアップしてみます。


バスケ会場 アップ

…あれ、やっぱり何か違和感を感じます。
更にアップで見てみましょう。

観客に紛れ込むシラガゴイ(ミノゴイ)

観戦してる!!

こんなバスケをダムダムして人が沢山走り回っているコートでは虫もなかなかやってくる隙がないでしょうに、どうしてここにいるのですか。
しかも堂々と観客席に陣取って。
こんな近くでシラガゴイがバスケ観戦しているのに最寄の人々が全く気にしていないのもガラパゴス的ポイントだと思います。

シラガゴイ、もしかしてスポーツ観戦も好きで来ているのかな?と思ってしまったのでした。

そして翌日の晩、再びこの公園を通ってみると…

コートに入るシラガゴイ(ミノゴイ)

もはや観戦だけでは満足できなくなったのか、コート入りしてました。
ボール、パスがもらえるといいね…!

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ABOUTこの記事をかいた人

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎) 。 たまたま本で見たガラパゴスバットフィッシュに大恋愛し、大学在学中に2度ガラパゴス諸島に渡航、バットフィッシュを観察。 卒業後は、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。およそ1年半をガラパゴス諸島及びエクアドル本土で生活した。現在、ガラパゴスバットフィッシュやガラパゴス諸島に関する寄稿、トーク、講演、メディア出演等を行っている。